いずれ近い将来、「人間とロボットは友だち」の関係が実現するものと予想されます。 人間にいのち(疑似の)を与えられたロボットが人間の不得意でつらいところを支援してく
れるわけですが、逆に人間はロボットを創造したり、エネルギーを準備してあげたりなど して、お互いに、「よいパートナー」の関係を保つことが望まれます。
この「パートナーロボット大会」は、福祉をモチーフとして、かつ、上述のような近未 来社会の実現を見越して、現在ある優れた技術と豊かなアイデアで、人間とロボットの望
ましい関係を目に見える形で示し、この方面の技術と感性の向上に資することを目的とし ています。 ですから、出場される方は、御自分の主張を十分にしていただきたいと思います。
また、ぜひ発想を柔らかくしていただきたいと思います。 ただ、楽しい競技は大歓迎ですが間違っても「嗤う」ものであってはなりません。 なお、この大会は「パートナーロボット大会」と称しますが、「ロボット」と言っても、
コンピュータで制御される機械でなくてもよいと思います。何らかの形で人間を支援して くれる道具ならば、それで十分です。もしその道具が優れているなら、きっと実際に使わ
れ、その内、機能アップの必要にかられ、知能化され、ロボット的要素が入ってくるかも しれません。 また、「ロボット」と言っても、外形は単なる箱であったり、いわゆるロボットとは似
ても似つかぬものであってもよいのです。むしろ、福祉介護の分野ではそれが普通だと思 います。 ぜひ自由な気持ちで観戦し、あるいはつくり、出場し、楽しんでください。
中野 栄二:東北大学教授 |